そのファクタリング契約書、サインする前に3分だけ待ってほしい。
俺は橘。
元ノンバンクで「回収の鬼」と呼ばれていた男だ。
かつては数字のため、多くの会社を追い詰めてきた。
だが、ある町工場の社長の涙を目の当たりにして決意した。
「数字の向こうにいる“人”を救う側に立つ」と。
今は中小企業の資金調達を手伝っている。
この記事では、きれいごと一切なしで「ファクタリング」の真実だけを話す。
情報がないばかりに、悪徳業者に未来を奪われる経営者を一人でも減らしたい。
これは、俺のかつての仕事への、生涯をかけた贖罪でもある。
この記事を読めば、あなたはもうファクタリングという言葉に怯えることはない。
俺が約束する。
目次
【巷のウソ】ファクタリングは魔法の資金調達術ではない
そもそもファクタリングとは何か?【元・回収屋の言葉で翻訳する】
「売掛債権の売買」などという小難しい話は一度忘れてくれ。
要するに、ファクタリングとは「未来の入金予定を、手数料を払って前借りする」ことだ。
あなたの会社で言えば、取引先から3ヶ月後にもらえるはずの売上を、専門の業者に「ディスカウントして今すぐ買い取ってもらう」ようなものだと考えてほしい。
これは融資、つまり借金とは全く違う。
ここを混同すると、悪徳業者の思うツボだ。
これがファクタリングの心臓部だ。
さらに図解を交えた丁寧な解説で、ファクタリングとは何かを深く理解したい場合は、こちらの記事も目を通しておくと万全だろう。
なぜ今、多くの経営者がファクタリングに注目するのか
銀行がなかなか金を貸してくれないからだ。
赤字決算や税金滞納があると、銀行の扉は固く閉ざされる。
だがファクタリングの審査で重要なのは、あなたの会社ではなく「売掛先(取引先)の信用力」。
だから、自社の経営状況が厳しくても資金調達できる可能性がある。
この手軽さが、多くの経営者にとって最後の希望に見える。
だが、その手軽さには大きな罠が潜んでいることを忘れてはならない。
【業界のホント】元・回収の鬼が明かす2つの顔
ファクタリングには、大きく分けて2つの種類がある。
それぞれのメリットとデメリットを、業界の裏側を知る俺の視点から解説しよう。
①「2社間ファクタリング」- 取引先にバレないが、手数料という名の用心棒代が高い
これは、あなたとファクタリング会社の2社だけで完結する取引だ。
最大のメリットは、売掛先に知られずに資金調達できること。
「あの会社、資金繰りが厳しいのか?」などと勘繰られる心配がない。
だが、ファクタリング会社からすれば、本当にその売掛金が存在するのか確信が持てず、リスクが高い。
だから手数料という名の“用心棒代”は高くなる。
相場は8%~18%だが、悪徳業者は平気でそれ以上をふっかけてくる。
②「3社間ファクタリング」- 手数料は安いが、取引先の理解が必須
これは、あなた、ファクタリング会社、そして売掛先の3社が関わる取引だ。
売掛先に「この売掛金はファクタリング会社に譲渡します」と通知し、承諾を得る必要がある。
ファクタリング会社は売掛金の存在を直接確認できるためリスクが低く、手数料は2%~9%程度と安くなる。
だが、取引先に説明し、理解を得る手間と、関係性への影響を考慮する必要がある。
俺が見てきた中では、これで関係がこじれるケースも少なくなかった。
慎重に判断すべきだ。
【本当のリスク】俺が回収現場で見てきた地獄
手軽に見えるファクタリングだが、一歩間違えれば会社を破滅に導く。
俺がかつて回収の現場で目の当たりにしてきた、本当のリスクを伝えよう。
手数料地獄:気づけば利益がすべて消えている
「即日入金」という甘い言葉の裏で、高い手数料があなたの会社の利益を確実に蝕んでいく。
例えば100万円の売掛金を18%の手数料で売れば、手元に残るのは82万円。
この18万円を稼ぐのに、どれだけの汗を流した?
これを繰り返せば、いずれ資金繰りはさらに悪化する。
これは、俺がかつて追い詰めた会社が陥った典型的なパターンだ。
ファクタリングは、あくまで緊急避難的な手段だと肝に銘じてほしい。
償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)という名の罠
これは絶対に覚えろ。
契約書に「償還請求権あり(ウィズリコース)」と書かれていたら、それはファクタリングではない。
ただの「売掛金を担保にした借金」だ。
もし売掛先が倒産したら、あなたが全額をファクタリング会社に返済する義務を負う。
本当のファクタリングは「償還請求権なし(ノンリコース)」が基本。
売掛先が倒産しても、そのリスクはファクタリング会社が負う。
この違いを知らないと、あなたは地獄を見ることになる。
【自己防衛術】悪徳業者から会社と家族を守る唯一の方法
残念ながら、この業界には経営者の弱みにつけ込む悪徳業者が存在する。
だが、正しい知識があれば、彼らの罠を見抜くことは可能だ。
元・回収屋が見抜く!悪徳業者の5つの共通点
俺が現場で対峙してきた悪徳業者は、決まって同じような匂いがした。
以下の5つのうち、一つでも当てはまったら即座に電話を切れ。
- 契約書を渡さない、内容が不明瞭
- 法外な手数料を要求する
- 会社の住所や固定電話がない
- 審査が甘すぎることを強調する
- 償還請求権や買戻し特約がある
契約書にサインする前に、自分に問いかけるべき3つの質問
感情で動くな。
契約書を目の前にしたら、一度深呼吸して、自分にこう問いかけろ。
- この手数料を払っても、事業に利益は残るか?
- 他に資金調達の手段は、本当にもうないのか?
- この契約内容を、家族に胸を張って説明できるか?
この問いに一つでも迷いがあるなら、その契約書にサインしてはいけない。
よくある質問(FAQ)
最後に、多くの経営者が抱く疑問に、俺の言葉で答えておこう。
Q: ファクタリングは借金(負債)になるのですか?
A: 断じて違う。
ファクタリングは売掛金という「資産の売却」だ。
したがって、貸借対照表(BS)上で負債が増えることはない。
信用情報にも影響しない。
もし「これは融資です」などと説明する業者がいたら、そいつは悪徳業者か、ただの素人だ。
Q: 赤字決算でもファクタリングは利用できますか?
A: 利用できる可能性は十分にある。
なぜなら、ファクタリング会社が重視するのはあなたの会社の業績ではなく、売掛金の支払い能力、つまり「取引先の信用力」だからだ。
銀行融資を断られた経営者にとって、これが大きなメリットになる。
Q: 取引先に倒産されたら、お金を返す必要はありますか?
A: 「償還請求権なし(ノンリコース)」の契約であれば、返す必要は一切ない。
それがファクタリングの最大のメリットの一つだ。
売掛金の回収リスクはファクタリング会社に移転する。
もし返済を求められたら、その契約はファクタリングではなく、違法な貸付の可能性が高い。
すぐに専門家に相談すべきだ。
Q: 手数料の相場はどれくらいですか?
A: 2社間ファクタリングなら8%~18%程度、3社間ファクタリングなら2%~9%程度が一般的な相場だ。
これより著しく高い場合は警戒が必要だ。
特に「手数料30%」などと提示されたら、それは悪徳業者だと断定していい。
Q: 個人事業主でも利用できますか?
A: 可能だ。
法人だけでなく、個人事業主を対象としたファクタリングサービスも存在する。
ただし、業者によっては法人限定の場合もあるため、事前に確認が必要だ。
諦める前に、個人事業主に対応している信頼できる業者を探すべきだ。
まとめ
ここまで読んでくれて感謝する。
ファクタリングは、決して魔法の杖ではない。
だが、正しい知識を持って使えば、あなたの会社を窮地から救う強力な武器になる。
重要なのは、甘い言葉に惑わされず、契約書に潜むリスクを自分の目で見抜く力を持つことだ。
俺は、かつて自分が追い詰めてしまったあの町工場の社長のような人を、もう二度と見たくない。
だからこそ、こうして情報を発信し続ける。
この記事を読んだあなたが、明日からすべきことは一つ。
目の前の資金繰りにただ怯えるのではなく、今日手に入れた知識という武器を手に、冷静に、そして毅然と立ち向かうことだ。
諦めるのは、すべての手を尽くしてからでいい。
あなたの会社には、まだ未来がある。